ガルシア・マルケス『百年の孤独』
1982年、ノーベル文学賞受賞作家の代表作(と、言われている)。
何の雑誌だったか、”読んでおきたい文学”みたいな特集で1位にランクインしていた小説。
私は、教科書に出てこない名前には弱いので、最近、それを主人に言われるまで、全く知らなかった作家と作品です。
この作品が発表された年は、私が生まれた年です。
内容は『ブエンディア家の年代記』であり『マコンドの盛衰記』。これが淡々と語られていくだけの話です。
様々な事件があり、そこで、人々の喜怒哀楽もあるのですが、それらは大仰に語られることはなく、出来事や感情も淡々と語られる。
だから、つまらないかと言うことはなく、架空の町を舞台にした荒唐無稽で、読者の感情を無視しているかのように進み続ける物語につい、引き込まれます。
なんでだろう?
ミラン・クンデラの作品もそうなのですが、ワンセンテンスが持つ情報量が大きいんですよね。
だから、数ページを読むのに、こちらもエネルギーを消費してしまう。
そんなわけで、毎日読まずにはいられなかったのですが、読了まで3週間かな?単行本で431ページ。
私はクリスチャンではないので、聖書も文学の一つとしてしか読む術を知りませんが、『百年の孤独』は『旧約聖書』を読むような気分でした。
集落が出来、秩序が生まれ、外の世界との経済交流や戦争があって、やがて、その集落は”もともとは羊皮紙にサンスクリット語で書かれた物語”として結末を迎え、消えうせる。
文明の進化のスピードを考えたら、百年の間には起こり得ない出来事が起きてゆく。
生存してゆくことが、登場人物の最大の命題。
”家”を軸に話が進む所為なのか、物語の幹にいるのは、常にその家を取り仕切る女性です。
ブエンディア家の最後の人間は、そうとは知らず血族間で子供を作り、その子供の誕生と死と共に、マコンドは消滅し、ブエンディア一族は崩壊します。
G・マルケスが何を言いたいのかを、私の感想の一つとして明言するのはおこがましいので、触れません。が、ブエンディア家の人間で、真に”愛”によって子供を作ったのは、この最後の二人だけです。
西洋は、東洋より”個”の意識が強い、と聞いたことがあります。クンデラの作品でも、真に想いが通じ合う二人(友人、家族、恋人、夫婦問わず)は登場しません。
クンデラにしても、マルケスにしても、文化的・歴史的背景(背景と言うよりバックボーンかな?)が作品の後ろに仄見えており、それをきちんと理解しないと、物語世界の理解は難しいのでしょうね。
ちなみに、阿部公房に通じる部分もあります。
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